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マーケティングは人間にどれだけ興味をもてるか【後編】

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山岡先生(以下、山岡と表記):マーケティングの仕事の面白さ、醍醐味はどんなところにあると思いますか?

齋藤理佐子 様(以下、齋藤と表記):世の中が反応したときが一番面白いですかね。マーケターとしての自分の価値観だけじゃ受け止めてもらえないので、相手との間を取るというか、それが共感を呼んだ時はものすごく面白い。

山岡:自分でやったことに対して、それがハマったという時の快感みたいなものはありますか?

齋藤:マーケティングはお客様にとって価値を新しく作る活動なので、相反することみたいなことを、叶えるということを発想してもよくて、食べても食べても痩せれるものがあったらいいよねとか、見れば見るほど目が良くなるスマホあったらいいのにとか、普通はどんどん目が悪くなるねってことなんですけど、そういう相反するようなことを発想しても良くて、それどうやったら実現できる?無理じゃない?と考えるプロセス、クリエイティビティがすごく面白いと思います。コミュニケーションのところでも、普通に考えたらこういうコミュニケーションしかないけど、反対のこと言ってみたらどうなるだろうか?と発想することは悪くない。ヒットしちゃったりする。

山岡:生身の人間相手だから予想外のことも起こるところがエキサイティングですよね。そういうところをつき詰めると。よりなんか人間の本質みたいなのを考えるきっかけになるから面白いですよね。

齋藤:人に興味を持つとか、市場に興味を持つとか、起きていることは本当なのかなとか疑問を持つこと、大事ですよね。

山岡:そういう好奇心旺盛なマーケターになるために、こういうことを経験した方が良いとか心がけた方が良いことなどありますか?

齋藤:マーケティングは、誰のどこの感線にどう引っかかるか考えるようなものなので、それを学ぶためにはいろいろな経験をした方が良いと思います。大体、予想していない所にヒットの種があったりするので、柔軟に考える発想が大事だと思います。

山岡:予想外を楽しめるぐらいでないとね。

齋藤:他の職種より答えがないのがマーケティングの仕事ですね。他の仕事は、だいたい答えが決まっているというか、答えに向かって、アウトプットを作っていくところがある。どれだけ早くできるとか、効率性とか。

山岡:高校生に向けてメッセージとかありますか?

齋藤:私は大学では、数学とコンピューター系を選んだんですけど、高校までに学んだことのない新しい科目を選ぶとよいかもしれませんね。私が入った時にマーケティングという科目が学科にはありませんでした。その時は思い至らなかったですけど、知らないことを学びたかったらマーケティングは良いかもしれません。

山岡:それはありますよね。高校の延長線上のような分野が結構あります。マーケティングは延長線上でもない。高校生に模擬授業とかするんですけど、高校生には新鮮味があるようです。マーケティングは人間を知って、人間を追求することなので、高校生相手にケースメソッドで模擬講義やりますが、高校生も本質を捉えた良い発言をしてくれたりします。

齋藤:そういうことですね。知識ではない。

山岡:マーケターが一生懸命やっているところは、そこですから。

齋藤:そう聞くとマーケティングという実践的な科目・授業はあってもいいということですね。そんなこと考えたことなかったかもしれません。

山岡:高校生の方がピュアでいいかも。雑念にとらわれてないから。

齋藤:今度小学校でこのメンソレータムというブランドをどうしたらいい?って聞いてみたら良いかもしれません。

山岡:高校生とか中学生とかそこだと本当にピュアな答えが返ってくるから、逆に社会人に聞くより勉強になるかも。あって気づかされる。社会人の提案はすごく洗練されていて、よくできているけど、予想外までいかない。でも学生は、思いもよらない、ハッとする気づきがあって刺激的だったりします。

齋藤:そうですね。今回もこちらが気づかない刺激的なアイディアをいくつも大学生の方々からいただきました。マーケティングはいつからでもできる。是非、若い間から興味をもってもらいたいですね。

山岡:その一役をこう言った場で担えればと思っております。本日はお忙しいところありがとうございました!

齋藤理佐子氏のプロフィール ロート製薬株式会社ブランド&コミュニケーション戦略特任部長 富士ゼロックス株式会社 入社 複合機事業の国内・海外マーケティング担当し、富士フイルム株式会社 移籍 化粧品(アスタリフト等)・サプリメント事業の商品企画、マーケティングを管掌する。現在は、ロート製薬株式会社 マーケティング責任者。


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